【第1回】AI・デジタル教育の難しさは「ゴールと現在地の設定」にある
2025.04.03

はじめに
最近、AIやデジタルに関する教育プログラムに関わる機会が増えてきました。自分自身も参加する立場であったり、企画・実施を支援する立場であったりと、さまざまな角度から教育に触れる中で改めて思うことがあります。
それは、「教育において一番大切なのは、ゴールの設定と現在地の確認」だということです。これは教育に限らず、コンサルティングの現場でもよく言われる基本中の基本。でも、実際にやってみると、これがとても難しい。
今日はそのあたりについて、少し掘り下げて考えてみたいと思います。
教育におけるゴールとは?
教育とは、ある人や組織が「何かの能力」や「技術」を手に入れるためのプロセスです。ですが、そのゴール、つまり「どの程度できればOKなのか?」という目標設定がとてもあいまいになりがちです。
たとえば、「デジタルスキルを高めたい」と言っても、どのレベルまで?何をもって習得とするのか?明確な基準がなければ、教育の成果を測ることはできません。
教育と事業施策の境界線
教育の最終的な成果として、「業務効率の向上」や「サービス力の強化」などが挙げられることがあります。確かにそれらは理想的なゴールです。しかし、ここに落とし穴があります。
それは、「それって教育というよりも、事業施策じゃない?」という問題です。
教育はあくまで手段であり、組織を底上げしていくための中長期的なアプローチです。一方で、事業施策は即効性や成果を重視します。教育に即効性を求めすぎると、本来の効果が薄れてしまう危険性があるのです。
ロールモデルを設定するという考え方
そこで私が最近注目しているのが、「ロールモデルを基準にした教育設計」です。
社内に「この人のようになってほしい」という理想的な人材がいるとします。その人が持っているスキルや考え方、仕事への取り組み方などを分解して、教育のゴールに据える。とても現実的で、目標としても具体性があります。
教育の成果は“じわじわ”現れる
教育の成果は、一朝一夕では出ません。最初に教育を受けた数人が変化し、その影響が少しずつ周囲に波及していき、やがて組織全体に広がっていく…というのが、理想的な教育のかたちだと思います。
まずは小さく始めて、大きく育てる。この考え方を持っておくと、教育に対しても腰を据えて取り組めるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、「教育のゴール設定の難しさ」と「ロールモデルを基にした教育設計」についてお話ししました。
次回は、ゴールを決めたその先、「現在地の把握」の大切さについて掘り下げてみたいと思います。どこに向かうかを決めたなら、今自分がどこにいるのかも知っておかなければいけませんよね。
それでは、また次回。
この記事は note にも掲載しています:note で読む
