フリーランスになるまでの道のり(全5回連載)第4回:IBMでの葛藤と、副業から始まる独立の兆し
2025.05.15
会社の公式な見解ではなく、代表の清水が個人として書いた記事です。

コロナと転職、二つの大きな変化が重なった
2019年11月、私はIBMに入社しました。戦略コンサルティング部門に所属し、さまざまな業界のクライアントに対してデジタル戦略の立案を行うという業務に就きました。しかし、その1ヶ月後には新型コロナウイルスが世界中に拡大し、私たちの生活も仕事も大きく変化していきます。
一度に受ける変化は一つが限界──そんな話を聞いたことがありますが、私と家族はこの“転職”と“パンデミック”という二重の変化を同時に体験することになりました。
デジタル戦略という抽象性と向き合う日々
IBMでの職位はシニアコンサルタント。クライアントのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、主にデジタル戦略を立案推進する仕事でした。
扱ったテーマは幅広く、小売業のアプリ開発戦略、家電メーカーのIoT連携施策、地方銀行の非金融ビジネスの構築など。その中で、私は提案書の作成やリサーチ業務を中心に担いました。
しかし正直に言えば、この仕事に完全にフィットしていたとは言えませんでした。というのも、私は戦略を“描く”よりも、それを“実行に移す”フェーズに興味と手応えを感じるタイプだったのです。
また、クライアントの多くが経営層であり、抽象度の高い課題を扱う中で、自分の強みを活かしきれていない感覚もありました。
人生初の副業──自分の価値を試してみた
そんな中、私は副業を始めました。きっかけは「ビザスク」というスポットコンサルのプラットフォーム。IBMでの業務内容は守秘義務上話せませんが、以前経験した農業スタートアップでの知見であれば、共有できると考えたのです。
すると登録して間もなく、農業系の事業者や新規参入を目指す企業から相談依頼が舞い込むようになりました。
農業という業界は、構造が複雑で情報が断片的です。全国に約100万の農業経営体が存在し、その平均売上は1000万円程度と企業としてのそれと比較すると非常に小規模。まるで“無数の小さな個人事業主の集合体”のような構造です。ちなみに、売上が1,000万円なので、いわゆる給料換算するとその半分や4割。400-500万円。まさに個人事業主です。
だからこそ、業界の内実を理解したうえで外部とも対話できる私のような立ち位置は、重宝されたのかもしれません。
副業は、私にとって“初めて自分の知見がお金に変わる”という体験でした。しかも、会社の看板ではなく、自分の名前で仕事を受けたという意味でも、大きな一歩だったのです。
フリーランスという選択肢が現実になる
ビザスクでの活動をきっかけに、私はLinkedInでも自己開示を進めていきました。すると、農業スタートアップ立ち上げの支援や、大手化学企業の新規事業立案など、さまざまな副業依頼が舞い込むようになります。
当然、本業の時間外での対応でしたが、それでも「週末に全く別の分野の人と仕事をする」「感謝の言葉とともに報酬を得る」という経験は、私にとって大きな自信と刺激になりました。
そして何より重要だったのは、こうした副業を通じて「フリーランスでも生きていけるかもしれない」という手応えを得たことです。情報収集を重ねるうちに、正社員よりも高い報酬を得ているフリーランスも多く、収入の面でも十分に現実的だということがわかってきました。
次回はいよいよ最終回、第5回「独立前にやっておいて本当によかったこと」へと続きます。会社員からフリーランスへと移行する過程で、どんな準備をしたのか。失敗しないために意識したこととは?その全体像をお伝えします。
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