「本当にこれでいいのかな」が口ぐせの私が、会社を作って仕事にしていること
2026.10.13

私には、ちょっと面倒な性格があります。
何かを選ぶとき、つい「本当にこれでいいのかな」と考えてしまうのです。みんなが使っているから、広告でよく見るから、ランキングで上位だから。そういう理由だけだと、どうも落ち着きません。自分で調べて、比べて、納得してから選びたくなります。
一言でいうと、オタク気質なのだと思います。
今回は、この性格がどう今の仕事につながっているのか、私がどういう考えで Wayfinder WorX という会社をやっているのかを書いてみます。
身の回りのことから、つい見直してしまう
たとえばスマホです。大手キャリアのプランを、使い方に合わせて格安SIMに変えました。電波は同じで、料金は半分以下になりました。これは今では誰でも当たり前でしょ?と思うかもしれませんが、まだまだ大手キャリアを使っている人は実は多いんです。
メイン利用の通信会社シェア(2026年2月・MMD研究所調べ)
docomo(NTTドコモ):27.3%
au:14.2%
SoftBank(ソフトバンク):10.7%
Y!mobile(ワイモバイル):10.3%
楽天モバイル:9.8%
MVNO(格安SIM各社)の合計:8.9%
家電やクレジットカードも、ひととおり比べてから選んでいます。住む場所も、家族との時間と、自分が落ち着ける場所を大事にしたくて、群馬のみなかみ町に移りました。
どれも大げさな決断ではありません。「これって本当に必要かな」「もっと自分に合うやり方はないかな」と、一度立ち止まって考えてみただけです。考えてみると、意外と選択肢はたくさんありました。
会社員時代に教わったこと
働き方も、同じように選んできました。
大学院を出て、いすゞ自動車に入りました。工場の現場の方々と一緒に、生産のシステムを作る仕事です。現場を知ることの大切さや、人に助けられながら働く喜びは、ここで教わりました。今の仕事の土台は、間違いなくこの時期にできています。
その後、ロサンゼルスに駐在しました。そこで、会社に属さず、自分の専門性だけで契約しているフリーランスのコンサルタントと一緒に働きました。「こういう働き方もあるのか」と、自分の中の選択肢が一つ増えた瞬間でした。
その後、農業スタートアップ、IBMと経験を重ね、副業から少しずつ独立の準備をして、2024年に独立しました。
長く勤めるのが日本のよさでもある
少しデータを見てみると、日本は一つの会社に長く勤める人が多い国です。
日本の会社員は、今の会社に平均で12年ほど勤めています。アメリカは中央値で3.9年です。新しく会社ができる割合(開業率)も、日本は4.4%で、アメリカ(9.3%)やイギリス(12.4%)より低くなっています。
これは悪いことではないと思っています。長く勤めるからこそ、技術や知恵が組織にたまり、チームで大きな仕事ができる。私自身、大きな会社でたくさんのことを教わりました。
ただ、私の場合は、あの「本当にこれでいいのかな」という性格に、独立という形がたまたま合っていました。どちらが正しいということではなく、自分に合う形を選んだ、ということだと思っています。
会社にしたのは、合理化のためです。
独立したあと、会社(法人)を作りました。
立派な理念があったわけではありません。
取引先の皆さんに安心してもらいやすくなった。お金の流れを法人ならではのものにできた。程度です。
ただ、ここでもオタク気質が出ました。税金や社会保険の仕組みを調べて、個人のままと法人にした場合を比べて、納得してから決めました。仕組みを知ると、選べることが増える。これは仕事でもまったく同じです。
社名はスター・ウォーズから
社名の「ウェイファインダー」は、スター・ウォーズが由来です。
『スカイウォーカーの夜明け』に、地図に載っていない場所への道を示す装置として出てきます。道案内っぽくていいなと思ったのと、単純にスター・ウォーズが好きだったので、そのまま使いました。
ちなみに映画のウェイファインダーが案内する先は、シスの本拠地です。社名としてはどうなのかと自分でも思いますが、ここにも一応、意味を込めています。
シスの本拠地は、銀河の地図にも載っていない、奥の奥に隠された場所です。仕事でも、表に見えている問題の奥には、なかなか見えない本当の原因が隠れています。そこまで一緒にたどり着く道案内をしたい。それが、この社名に込めた意味です。
違和感を、仕事に生かす
今の仕事は、企業や官公庁、農業の現場などで、AIやデジタルを使って仕事のやり方を見直すお手伝いです。
ここでも、やっていることは身の回りの見直しと同じです。
現場に入ると、「この作業、なんでやっているんだろう」という小さな違和感に出会います。毎日同じ表に手で転記している。誰も見ていない資料を毎月作っている。そういう違和感を、そのままにしないで、奥にある原因までたどっていきます。
すると、AIを入れる前に、そもそもその作業がいらなかった、ということもよくあります。新しい道具を足すより、本当に必要なことだけを残すほうが、ずっと効果が大きいことも多いのです。
違和感に気づくこと。原因まで掘り下げること。そして、実際に手を動かして変えること。この三つを、お客様と一緒にやっていくのが私の仕事だと思っています。
時間を大事に使いたい
こうして振り返ると、私が見直してきたものの根っこには、いつも同じ思いがありました。
人生の時間を、大事に使いたいということです。
お金は取り戻せても、時間は取り戻せません。だからこそ、本当に必要なことに時間を使いたい。それは自分の暮らしでも、お客様の仕事でも同じです。いらない作業が一つ減れば、その時間を、もっと大事なことに使えます。
おわりに
「本当にこれでいいのかな」と考えるのは、ちょっと面倒な性格かもしれません。でも、その違和感が、いい仕事の入り口になることがあります。
もし、社内で「これ、なんとなく続けているけど本当に必要なのかな」と感じていることがあれば、ぜひ一緒に考えさせてください。地図に載っていない道でも、一緒に探せば、案外ちゃんと見つかります。
データの出典
勤続年数(日本・2022年、平均):労働政策研究・研修機構 Japan Labor Issues
https://www.jil.go.jp/english/jli/documents/2024/047-05.pdf勤続年数(アメリカ・2024年1月、中央値):米国労働統計局
https://www.bls.gov/opub/ted/2024/median-tenure-with-current-employer-was-3-9-years-in-january-2024.htm開業率:文部科学省 科学技術・学術政策研究所「科学技術指標2023」
https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2023/RM328_57.html
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