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ブログ/代表の考えごと

【第3回・最終回】勇気じゃなくて「準備」だった——移住という決断の裏側

2025.05.06

会社の公式な見解ではなく、代表の清水が個人として書いた記事です。


はじめに

この連載では、「大きな決断に勇気はいらない」という視点から、
勇気ではなく徹底的な思考と準備によって人生を動かしていく考え方を紹介してきました。

最終回となる今回は、私自身の実体験である「東京から群馬への移住」を例に、
具体的にどんな準備をし、どんなリスクを検討し、どう意思決定に至ったのかを、赤裸々にお話ししていきたいと思います。


「移住?大胆すぎない?」という声の正体

東京・大田区に家を持っていた私たち家族が、
群馬・みなかみ町への移住を決めたとき、
周囲からは、さまざまな反応がありました。

  • 「えっ、思い切ったね!」

  • 「勇気あるなあ、すごい!」

  • 「流行に乗ってる感じ?」

こんな風に、驚きや賞賛の言葉が飛んできました。
でも、そのどれもが、少しズレているような感覚があったんです。

実際には、この決断は「思い切って決めた」ものではなく、
ありとあらゆる角度から情報を集め、検討し、試行錯誤した上での、極めて論理的な判断でした。


移住の準備にかけた時間は、人生最長クラス

移住のプロセスは、まさに「プロジェクトマネジメント」そのものでした。

  • 候補地の選定

  • 土地や物件の下見

  • 気候・医療・教育などインフラの調査

  • 近隣住民とのコミュニケーション

  • 仮住まいでのテスト移住

  • オンライン環境や仕事の調整

これらを1つずつ丁寧に確認し、
時には何度も現地に通い、生活を体験しながら判断を重ねました。

この過程は、コンサルタントとしてのどんな大規模なプロジェクトよりも、
膨大な時間と労力を要したと言っても過言ではありません。


リスクとリターンを洗い出す

私たちは、さまざまなリスクとリターンを具体的に可視化しました。

想定したリスク

  • 東京の利便性を失うこと(人との距離、仕事のアクセスなど)

  • 子どもの教育機会が減る可能性

  • 地方での収入確保

  • 医療やインフラの不安

期待したリターン

  • 自然の中でのびのびとした生活

  • 生活コストの低下

  • コミュニティとの密な関係性

  • 育児・教育への主体的な関わり

こうした項目を一つずつ整理し、
何が本当に重要か、何を妥協できるか、何を手当てすべきかを、明確にしていきました。


失敗シナリオを想定する(=「梅」)

前回の記事でも触れましたが、
最悪のシナリオ——いわば「梅」のパターン——をしっかりと描きました。

たとえば:

  • 地方で仕事が成り立たなかったら?

  • 子どもが新しい環境になじめなかったら?

  • 孤独感に耐えられなかったら?

これらを前提に、逃げ道やバックアッププランも用意しました。

  • 仕事が減った場合の副収入づくり

  • 教育支援体制の調査と家庭学習の導入

  • 必要に応じて再度都市部に戻れる資金の確保

この準備があったからこそ、
「最悪でも大丈夫」と心から思える状態になり、勇気ではなく納得感で踏み出すことができたのです。


実際、どうだった? 答え合わせの時間

さて、いざ移住してからしばらく経った今、
実際にどうだったのか——その答え合わせをしてみたいと思います。

■ 東京が恋しくならないか?

全く問題なし。必要であれば日帰りで東京に出て、飲み会やイベントにも参加。
むしろ、「帰る場所がある東京」という感覚が心地いいです。

■ 仕事はどうなったか?

完全リモートとはいかないものの、Web会議ツールが定着したおかげで、
週1ペースの出張だけで十分に仕事が成り立つ状態に。

オンラインの比率が高まったことで、地方にいても全く不利を感じていません。

■ 子どもの教育は大丈夫か?

正直、これはまだ「結果待ち」です。
でも、近所の子どもたちの進学実績を見ても、
工夫次第で十分な成果が出せると実感しています。

都内の中学受験競争から距離を置けたことも、我が家にとってはプラスでした。

■ 地方での生活コストや人間関係は?

コスト面では、明らかに東京より抑えられています。
人との関係も、より「顔が見える」「支え合う」ものに変わり、
都市部にはなかった温かさがあります。


移住が向かない人もいる

ここまでポジティブな面を書いてきましたが、
当然ながら、地方移住が誰にとっても正解とは限りません。

  • 対面コミュニケーションが必須な職種

  • 通勤が必要な会社員

  • 都会の刺激が好きな人

そうした人にとっては、
地方生活はストレスになる可能性があります。

だからこそ、**万人に向けた「正解」ではなく、自分にとっての「納得解」**を見つけることが大切です。


勇気よりも「準備」——その本質をもう一度

今回の連載を通じてお伝えしたかったのは、
「勇気がある人」にならなくてもいい、ということ。

勇気ではなく、

  • 情報を集めること

  • シナリオを描くこと

  • 準備を重ねること

  • 自分にとっての納得感を得ること

これらを積み重ねていけば、
大きな決断だって、自然に「やるべきこと」に見えてくる。

それは一見、勇気があるように見えるかもしれません。
でも、実際には、地道な思考と準備の結果にすぎないのです。


さいごに

「大きな決断をする人=勇気がある人」
そんなラベルは、案外的を射ていないのかもしれません。

むしろ、大きな変化を起こした人たちの多くは、
目立たないところでたくさん考え、たくさん悩み、たくさん準備をしています。

この連載が、これから何か大きな選択をしようとしているあなたにとって、
ほんの少しでもヒントや安心材料になれたら、これ以上にうれしいことはありません。


(※この記事は全3回連載の最終回です。第1回・第2回もぜひあわせてご覧ください!)

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