農業ビジネスは、なぜ「泥臭い」のか。戦略と現場の「谷」を埋めるための共通言語。
2025.12.18

「農業ビジネスは、非常に難しい」
現場の最前線でデジタルと農業の橋渡しをしてきた私が、心の底から感じていることです。 「DX」という言葉が飛び交う昨今ですが、農業ほどステークホルダーが複雑に絡み合い、かつ「共通言語」が見つかりにくい領域は他にありません。
今回は、私が日々向き合っている農業ビジネスの難しさと、その「谷」を埋めるために必要な視点についてお話しします。
1. 登場人物が多すぎる、巨大なエコシステム
農業を「農家さん個人の仕事」と捉えると、ビジネスの本質を見誤ります。そこには驚くほど多くのプレイヤーが介在しています。
行政・公的機関: 農林水産省、都道府県や市区町村の農政課。
金融・支援: JA(農協)、地銀、信用金庫。
流通・卸売: 大田市場や豊洲市場の関係者、物流業者、仲卸。
小売・外食: 実際に消費者に届ける人、食材を調達するプロ。
これら全てのステークホルダーが独自の論理で動いています。この複雑な構造の中で、誰の、どの課題を解決するのか。それを定義するだけでも、並大抵のことではありません。
2. 教科書には載っていない、現場の「共通言語」
私がこれまで多くのプロジェクトに携わってきて痛感するのは、「デジタル・AIの知見」と「農業の現場感覚」を高いレベルで両立させている人が極めて少ないという事実です。
ITのプロはたくさんいます。営農のプロもたくさんいます。しかし、その両者が会話をしようとすると、途端にコミュニケーションが止まってしまう。なぜなら、現場には独特の「言語」があるからです。
面積単位の 「10a(テンアール)」 や 「1町歩(イッチョウブ)」
出荷形態を指す 「DB(デービー:段ボール)」
什器の呼び名である 「オリコン」「ばっかん」「鉄コン」
これらは体系的に学べる場がほとんどなく、現場で泥にまみれ、農家さんの経営に寄り添う中でしか身につかない知識です。この言葉が分からない人に、農家さんは自分の経営の核心を話してはくれません。
3. 「戦略」と「現場」の谷を埋める
多くのDXプロジェクトが失敗するのは、立派な「戦略」があっても、それを現場のオペレーションに落とし込む「実装」が欠けているからです。
作業が分かっているだけでは足りません。農家さんの経営に寄り添い、ニッチな条件を一つひとつ紐解いていく。そのプロセスを経て初めて、本当に使われるシステムやアプリケーションが生まれます。
私は、この 戦略と現場の「谷」を埋めること こそが、自分の使命だと考えています。
伴走型デジタルコンサルティング:Wayfinder WorX
私は現在、「Wayfinder WorX」 代表として、農業DXを中心に「現場が本当に動く状態」になるまで伴走する支援を行っています。
ご提供している3つのプラン
【Plan A】現場改善・ツール開発 「まずは一つの業務を自動化したい」という方向け。Google AppSheet等を用い、農薬管理や収穫記録など、泥臭いオペレーションを即座にデジタル化します。
【Plan B】DX/AI人材育成&内製化 「自社でDXを推進したい」企業様向け。管理職・中堅社員の方々に、現場で使えるAI活用の「型」を伝授するリスキリング研修を行います。
【Plan C】PMO・DX/AI戦略顧問 「基幹システム刷新や新規事業開発」に挑む組織向け。経営層、現場、ベンダーの間に立ち、複雑なプロジェクトの「交通整理役」として並走します。
最後に:道をつくる。ともに進む。
私のキャリアは、自動車メーカーの工場から始まり、米国のSAP導入プロジェクト、そして外資系コンサルティングファームを経て、農業の現場へと至りました。
製造・IT・農業。一見バラバラに見えるこれらの経験は、すべて 「現場をどう動かすか」 という一点で繋がっています。
農業という、難しくも、私たちの命を支える素晴らしい産業。 その未来をデジタルで切り拓きたいと考えている皆さまの、一番の「壁打ち相手」でありたい。
小さなご相談からで構いません。一緒に、新しい道をつくりましょう。
代表プロフィール
清水 裕介 / Yusuke Shimizu Wayfinder WorX 代表パートナー。JGAP上級指導員。 いすゞ自動車、米国Isuzu、農業スタートアップ、IBM等を経て現職。群馬県みなかみ町在住、三児の父。 製造・農業・行政など、泥臭い現場のDXを専門とする。
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